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読みもの›再現MIXとは?シーシャで「あの味」を作る考え方

再現MIXとは?シーシャで「あの味」を作る考え方

最終更新 2026.08.22 ・ KEMURI NOTE 編集部

この記事は書き直し中です。

「杏仁豆腐」「メロンクリームソーダ」「グリーンカレー」。フレーバーの名前ではないものが付いたMIXを見かけることがあります。これが再現MIXです。実在する食べ物や飲み物の味を狙って、複数のフレーバーを組み合わせる作り方を指します。呼び方は書き手によって「再現系」「再現ミックス」「再現シーシャ」と揺れますが、指しているものは同じです。

ふつうのMIXと決定的に違うのは、出来上がりの測り方です。おいしいかどうかではなく、似ているかどうかで判定される。この記事は、その「似せる」をどう設計するのかを、国内の専門店やシーシャ情報サイトが公開している解説とレシピから順に組み立てます。

この記事は自分でボウルを作る人(家シーシャ・作り手)向けです。ただし考え方そのものは、お店で「こういう味に近いものを作ってほしい」と頼むときにも使えます。道具からそろえる人は家シーシャの始め方が先です。

再現MIXとは ── ものさしが変わる

MIXの作り方を分類している解説では、方向性が大きく3つに分けられています。突飛な組み合わせを避けてまとめるシンプル王道、食べ物や飲み物、香水などを再現する再現系、先入観を外してフレーバーを純粋に味として捉えるシーシャでしか作れない味。

このうち再現系にだけ、はっきりした注意書きが添えられています。「どれだけ似ているか」で評価されがちだ、というものです。ここが再現MIXの性格を決めています。おいしく仕上がっても、狙った味と違えば失敗と見なされる。評価のものさしを自分で持ち込んで、自分で厳しくしている遊びだと言えます。

裏を返せば、成否がはっきりする数少ない作り方でもあります。「なんとなくおいしい」で終わらないぶん、次に何を直せばいいかが残る。再現MIXが練習として機能するのはこの性質のためです。

なぜ単品では届かないのか

シーシャのフレーバーは、ほとんどが「その名前の味」を名乗って作られています。だから単品を評価するときの軸は「名前どおりの味かどうか」になります。 KEMURI NOTE の6軸のいちばん最初に再現度があるのはそのためです。

ところが、再現したい対象はたいてい複数の要素でできています。杏仁豆腐なら、杏仁の香り・ミルクのコク・つるりとした甘さ。ひとつのフレーバーが名乗る味はふつう1つなので、要素の数だけフレーバーを用意することになります。再現MIXでフレーバー数が増えるのは、凝っているからではなく構造上そうなるからです。

ただし例外があって、そこが最初の抜け道になります。レモンミントやダブルアップルのように、1フレーバーで2つの要素をまとめて持っているフレーバーがあります。狙った味の要素と重なる複合名のフレーバーが見つかれば、そのぶん構成を短くできます。

手順1 ── 味を要素に分解する

最初にやることは、フレーバーを選ぶことではありません。狙った味のほうを分解することです。国内のシーシャ情報サイトのミックス記事は、この手順をそのまま書いています。「アップルパイ」を思い浮かべると、リンゴ・甘いパイ生地・シナモンの香りが連想される。同記事はこれを「食べ物や飲み物の味を分解してそれをフレーバーに例える」とまとめています。別の店舗メディアも「ティラミスをイメージしてみましょう」と、まったく同じ入り方をしています。

分解するときの切り口は、何の味か・何の香りか・それらをまとめるものは何かの3つで足ります。専門店監修の作り方記事が挙げている「味・香り・輪郭」という分け方がこれにあたります。輪郭というのは3つ目、つまりバラバラの要素をひとつにまとめる役のことです。杏仁豆腐なら、味=ミルクの甘さ、香り=杏仁、輪郭=その2つを地続きにする丸みのある甘さ、という具合です。

狙った味杏仁豆腐味ミルクの甘さ香り杏仁輪郭丸みのある甘さ2つを地続きにする役フレーバーを選ぶ前に、狙った味のほうを分解する2つまとめて当たる1本があれば、そのぶん構成は短くなる
切り口は「味・香り・輪郭」の3つで足りる

分解できたら、要素をひとつずつ探す前に「2つまとめて当たる1本」がないかを先に見るのが早道です。さきほどの複合名のフレーバーがここで効きます。

難易度を決めているのは腕ではなく題材

分解までは誰でもできます。詰まるのは次の「要素にフレーバーを当てる」ところで、そこはカタログの形に縛られます。

KEMURI NOTE に載っているフレーバーを主カテゴリで数えると、果物が1,660件、飲み物が474件、お菓子が476件。この3つだけで全体の7割を超えます。

カテゴリは全部で8種類(果物・お菓子・飲み物・スパイス・フローラル・ミント/アイス・ウッド・その他)。野菜・出汁・肉といった区分はそもそも存在しません。

つまり、分解した要素が果物・お菓子・飲み物の言葉に落ちる対象ほど当てやすい。メロンクリームソーダが取り組みやすいのは、メロン・バニラ・炭酸感という要素が、そのままカタログの厚いところに落ちるからです。

では、グリーンカレーや麻辣湯のような対象はどうか。ここで「その要素のフレーバーが無い」と決めつけないことが大事です。実際に探すと、きゅうりやトマトのフレーバーも、バジルやレモングラスのフレーバーも存在します。変わるのは有無ではなく選択肢の厚さです。果物の要素なら何十何百から性格の合うものを選べるのに対して、こうした要素は数えるほどしかなく、「その1本を持っているか」の勝負になります。いっぽうで、出汁のような要素は名前で探しても出てきません。そこは代用するか、諦めて別の要素で輪郭を作ることになります。

探す範囲も、タバコ葉のブランドだけに絞らないこと。トマトソース・コンデンスミルク・レモングラスのように、ニコチンなしのブランドが持っている要素もあります。探しているのは要素であって葉ではないので、土台がタバコ葉かどうかは関係ありません。

難易度は腕ではなく題材が決めている。この見方をしておくと、できない再現に消耗せずに済みます。

カテゴリごとにフレーバーを見る

手順2 ── 要素に役割を割り当てる

要素にフレーバーを当てたら、次はそれぞれの役割を決めます。面白いのは、書き手によって呼び方がまるで違うのに、分け方が重なることです。

情報源3つの役割の呼び方
味を決める3つの役割として書いている解説メイン / サブ / アクセント
専門店監修の作り方記事味 / 香り / 輪郭(繋ぎ)
店舗運営メディアのミックス記事ベース / つなぎ / アクセント

どれかが正解というより、同じものを別の言葉で言っていると考えたほうが実用的です。 3つの役割はそれぞれ、吸った瞬間の印象を決めるもの、味の土台を整えるもの、後味と方向を確定させるものにあたります。

再現MIXでとくに重要なのが2つ目です。要素を並べただけだと、味が「混ざる」のではなく「並ぶ」。そこをひとつの味にまとめる係が要ります。ある店舗メディアはここにバニラやミルクを挙げ、緩衝材であり「つなぎ」でもある、と説明しています。呼び方までは揃っていませんが、実際に公開されている再現レシピを見ると、狙う味がキャラメルでもチャイでもバニラが入っていて、扱いは一致しています。

手順3 ── 量を決める

出発点になる目安はあります。主役を全体のおよそ半分にする、というものです。「主役は全体の量に対して半分くらい」と書いている専門店の記事も、メインフレーバーを「4割から5割」としている店舗メディアもあります。ただし「多め」の幅そのものは割れていて、ベースを6〜7割に置く解説もあります(幅のまま並べたものがMIXのやり方にあります)。逆に絞る側の目安もあって、ミントは「2〜3割が基本」、清涼感の強いものは「1〜2割」とされています。

実際に配分まで公開されているレシピを、割合の構造だけ取り出すとこうなります(同じ書き手による3つ。いずれも合計10で、上2つは「再現ミックス」と名前が付いています)。

ブルーベリーの再現

主役が7割。残りは、主役だけでは出ない厚みを別の果実で足している

キャラメルの再現

主役6にまとめ役のバニラ3。1割だけ入るココナッツが方向を決めている

チャイティー

いちばん多いのは主役の茶葉ではなくバニラ。「主役が半分」が規則ではない例

名前の味まとめ役その他ブルーベリーの再現7ブルーベリー系1ベリー2プラムキャラメルの再現6キャラメル3バニラ1ココナッツチャイティー4バニラ3茶葉3シナモン3つ目だけ、いちばん大きいのが名前の味ではない
いずれも合計10。同じ書き手が出した3つ

読みどころは3つ目です。チャイティーは、名前の中心にある茶葉が3で、いちばん多いのはまとめ役のバニラの4。「主役が半分」は目安であって規則ではないことが、同じ書き手が出した3つのレシピの中で示されています。まとめ役が主役より多い構成も成立するわけです。

なお、統一された黄金比は見つかりませんでした。情報源ごとに数字の幅があり、そもそも数字をあえて使わずに組む立場を明言している解説もあります。最初の一台は主役を半分にしておいて、吸ってからずらす。この順番のほうが、公開されている実例の姿には合っています。

手順4 ── 盛り方は「ごちゃ混ぜ」が基準形

配合が決まったら盛り方ですが、再現MIXに限っては迷う場面が少ないです。ごちゃ混ぜ、つまり詰める前に混ぜ合わせて均一に盛る方法が基準になります。最初から最後まで同じ味が続くので、決めた配合比がいちばん素直に出るからです。

層にすると時間とともに味が移り変わります。演出としては強いのですが、「狙った味に似ているか」を判定する目的とは相性が悪い。どの瞬間の味で採点すればいいのか決まらなくなります。まずごちゃ混ぜで配合を確定させて、層にするのはそのあとの話にするのが順番です。

盛り方3種の違いを図解で見る

手順5 ── 差分を測って、次の一台に渡す

再現MIXが一発で決まることは、まずありません。大事なのは、外れたときに何がどれだけ足りなかったのかを言葉にして残すことです。「杏仁が弱い」「ミルクが勝ちすぎている」「甘いが香りが立っていない」。次の配合はその差分から決まります。つまり再現MIXは一台ごとの当たり外れではなく、何台かかけて寄せていく作業です。

KEMURI NOTE の投稿は、この寄せ方をそのまま記録できるように作ってあります。

  • MIXに名前をつける。狙った味の名前を書いておくと、それがそのまま答え合わせの基準になります。
  • 「メインを決めない(全部主役)」をONにする。再現MIXは特定の1フレーバーの感想ではなく、全体でひとつの味を狙ったものです。このトグルを入れると、6軸の再現度が「狙った味どおりか」に切り替わり、「全然違う味」から「イメージどおり」の目盛りで記録できます。
  • 配合をg数か%で残す。次に直すのは配合なので、味の感想だけ残しても寄せられません。

同じ組み合わせを他の人がどんな配合で作っているかはMIXシミュレーターで見られます。まだ作っていない思いつきは一台メモに置いておけます。

調べても分からなかったこと

この記事を書くにあたって裏を取ろうとして、取れなかったことがいくつかあります。埋めずにそのまま書いておきます。

  • 混ぜてよいフレーバー数の上限。「何種類までなら破綻しないのか」を示している情報源は見つかりませんでした。この記事で引いたレシピはいずれも3種類ですが、それが上限だとはどこにも書かれていません。
  • 要素とフレーバーの対応表。「この要素にはこのフレーバー」という一覧は公開されていません。前に挙げたブルーベリー再現でプラムが入る理由も、レシピは公開されていますが理由は書かれていません。ここは各自が試して確かめている領域です。
  • 再現しやすい題材の一般則。「スイーツ系は再現しやすい」と書いている記事はありますが、複数の情報源で一致するところまでは確認できませんでした。この記事で書いた「カタログの厚いところに落ちる題材ほど当てやすい」は、あくまでカタログの構成から言えることまでです。

裏返すと、再現MIXはまだ手順が共有されていない領域だということです。だから記録が効きます。誰かの一台が、そのまま次の誰かの出発点になります。

次の一歩

MIXシミュレーターで配合を見る同じ組み合わせを他の人がどんな配分で作っているかパッキングで味はどう変わる?ごちゃ混ぜ・セパレート・ミルフィーユの盛り方を図解で書き直し中再現MIXを残す名前・配合・「狙った味どおりか」まで残して次の一台につなげる

本記事のミックスに関する記述は、国内のシーシャ専門店・情報サイトが公開している解説(ばんびえん、ASLAJ、CLOUD、LAGOS、香楽 現_UtuTu、JAPAN SHISHA TIMES 掲載の荻窪 yutori 監修記事 等)のうち、複数で一致している内容をもとに整理しています。配分の数字はいずれも目安で、フレーバー・器具・熱の入れ方によって最適値は変わります。

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